木造アーケードの神髄。 2022.07.31 大牟田・新銀座
7月31日(日),長崎出張の前々日。陸路で大牟田に入り,レンタサイクルで三池炭鉱宮原坑,万田坑,三川坑を見学。自転車を返却し,有明町年金通りと浪花街を歩いた。
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さて,ようやく辿り着いた新銀座の南側。今回の探索のメインディッシュである。
ようやく会えた。よく残っていてくれた。
満を持して,境界を越える。
北側の区画に比べると,非常に長い…!
先人の写真を見て想像していたよりも,かなり奥行がある。僅かな下り坂になっていることも,見え方に影響しているかもしれない。
壮観だ…。
純然たる昭和が此処には有った。
看板を塗り直しているのだろうか。
飴色のポリカ板が黄昏の光を透過し,セピアを演出する。
美容室…!
比喩や誇張でなく,すべてを文化財にしてほしいと思った。
こんな純然たる空間,もう二度と作れないぞ…。
そしてこの看板の造作の美しさよ。
どこを見ても,絵しかない。
日没が近づき,灯りが点った。
白熱球は点らない。
圧縮効果を発揮。
整然。
本当に,永遠に眺めていられる。木造アーケード無くして,街歩きの趣味は始めなかっただろう。
ぽつんと。
ふとん店の方の上弦材,端部が宙に浮いている…。
端部。
残るは4区画のうちの最南端の箇所。
満身創痍だ。
歯抜けになった区間は,骨組のみが残る。
錆びたシャッター。
再び最北端の区画と同様の,3本の束があるトラスになった。
この区画はかなり痛みが進行していた。
それでもやはり,反復は美しい…。
線路はすぐそこ。
南端へ。
痛々しく,往時を想像できない姿であった。
夢にまで見た新銀座,実際に出会えて良かったし,この目で見て,記録することができて本当に嬉しかった。また時間と天気を変えて,何度でも訪れたい空間だった。
その12に続く。
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