梟の島

-追想の為の記録-

小倉・旦過市場(2):閉店直前の旦過中央市場と,新旦過街と。

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神嶽川に迫り出す。 2016.05.01 旦過市場

 


2016年5月1日(日)。熊本地震の現地調査の前日。決して気分の晴れない遠征だが,ひっそりと非日常の時間を取り,夕方の小倉・旦過市場を散策している。

▼その1はこちらから。

anachro-fukurou.hatenablog.com

メインストリートの南端までやって来たので,ここで一度外観を撮影しよう。

 

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市場の南端から,東西に橋が架かっている。

 

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西側の建物は,神嶽川に迫り出して建設されている。

 

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圧縮効果を使ってくださいと言わんばかりの,最高の被写体である。

 

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アオサギ先輩。

 

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残念ながら再開発計画も進行している。もっと先の話かと勝手に思い込んでいたのだが,どうやら来年度には解体工事が着工するらしい。

 

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恐らく何万人もの人が,この橋の上でシャッターを切ったのだろう。幾十年と続く景色にも,残念ながら必ず終焉は訪れる。

 

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いよいよ昭和は遠くなってしまった。

 

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良く晴れた無風の昼下がりに,静謐な水鏡で撮影できたら,きっと美しいのだろう。

さて,メインストリートを北上。旦過中央市場に切り込んでゆく。人の気配があまりにも無いので,少しばかりの勇気を振り絞る。

 

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ホルモン,キムチ,ピースボート。三角形の短辺の向こうには非常口が見えている。

 

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メインストリートに並行する,三角形の斜辺。こちらは木造のトラスが掛かっている。明らかに一段階,時間軸を遡った感覚がある。

 

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こちらは「裏面」のような扱われ方なのかもしれない。

 

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短辺を東に進んでゆくと,あっという間に真っ暗である。今日はもう営業を終了しているのか,或いはそもそも日曜日は定休日なのかもしれない。非常口の向こうはモノレールの旦過駅である。

 

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鮮魚がずらりと並ぶ様も見てみたいのだが,それならば平日に来なければならないようだ。

 

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水の音と,エアレーターの音のみが聞こえる。人の気配は,ゼロである。

 

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残る一辺は,ほぼ真っ暗闇。

 

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屋根に明かり取りが無いので判然としないのだが,こちらも木造アーケードである。

 

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蛍光灯を電灯に変えれば,いよいよ本当にタイムスリップしてしまいそうだ。

 

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この先にあるメインストリートとの連絡通路が,既にシャッターが下りていた場所になる。

 

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振り返る。

 

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この自転車もかなりの年代物である。欲しいくらいである。

 

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闇の中でひときわ鮮やかな,フルーツの看板。これも正直なところ欲しいくらいである。

 

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闇に目を凝らせば,数多くの看板が残っている。

 

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トラスのディテールは,ほぼ撮影不可能だった。

 

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短辺に戻る。

 

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斜辺を撮影していた数分の間に消灯したようだ。サイバーパンクめいた怪しげな雰囲気。

 

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最後の店員が片付けをして,市場を出ようとしているようだ。危うく中に取り残されるところだった…。

 

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今度は北側のブロック,メインストリートから東に切れ込んでゆく「新旦過街」の入口。

 

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一元様お断りの店から,声が微かに聞こえてくる。

 

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ようこそ新旦過街え。

 

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クランクの東側にて,例の般若を発見。

 

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緑と赤のある路地。

 

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振り返ると,この街で食べ歩いてみたいと思うのだが,当時はそんな考えは無かったらしい。

 

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良い街だ…。

 

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南北に抜ける路地。ダクトが良い味を醸し出している。

 

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表通りに出る。小倉昭和館,その名の通りの昭和感。

 

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神嶽川の西岸,みかげ通りから,旦過市場の西側の建物の背面を見る。室外機は屋根の上にもあるらしい。

 

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半世紀を生きて来たと思しき建物たちが並んでいた。残念ながらこちらはここ2年以内に解体されてしまったらしい。

 

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平成生まれの自分でも,「ぺんてる」の文字を見た途端に童心に帰らざるを得ない。

さて,いよいよ時刻は18時。気付けば1時間半も滞在していることになる。そろそろ市場内の殆どの店舗がシャッターを下ろした頃だろう。最後に改めて,メインストリートを歩いてみよう。

 

その3へ続く。

 

 

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