梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

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北九州・若松散策(4):上野海運ビル,美麗な吹き抜けは必見。

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厚感。 2020.08.22 上野海運ビル

 

8月22日。早朝から動き始め,時間の許す限り北九州市の木造アーケードを巡る一日。洞海湾を時計回りに走り,到津市場,筑豊商店街,枝光中央商店街,前田中央市場・堀川市場,貞元市場を巡ってから,若松に到着。大正町商店街・ゑびす市場を撮影した後,中川町を歩いた。この日の行程もいよいよ終盤である。

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今日のうちに新幹線で帰京するので,撮影対象の候補を取捨選択しなければならなくなった。1分ほど考え込んだが,やはりこの建物を視界に入れながらスルーすることなど,自分には出来っこなかった。

 

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上野海運ビル。上野ビル。旧三菱合資会社若松支店。1913年に建てられた,煉瓦造の3階建てのビルである。鉱滓煉瓦の色合いと窓の小ささが,重厚な印象を与える。

 

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設計は,保岡勝也。

 

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お邪魔させていただきます。ちなみに,ビル内は,商業利用の撮影は禁止。

 

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テナントビルとして今なお現役。日めくりカレンダーは,この日も健在だった。

 

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鈍い足音が響く板張りの廊下。磨かれて今日も美しい。

 

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1階の奥。

 

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ここで,譲り受けた単焦点レンズをデビューさせた。

 

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このダークブラウンの階段を上ろう。

 

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ツートンカラーが美しい。

 

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上り始めて早々に,辺りをきょろきょろと見回してみる。飾られていない自然な姿が美しい。

 

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近代建築は階段をじっくり眺めて撮らなければいけない。ここも例に漏れずそうである。

 

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そして2階側を見上げる。久しぶりだ…。

 

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重厚な外観とは異なる,内部の可憐さ。

 

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この線の多さ,線の細さ。

 

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踊り場から2階へと上ろう。

 

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これが2・3階の吹き抜けである。この壮麗さよ…最大級の嘆賞に値する空間だ。2度目の探訪であっても,感動する。

 

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小断面の丸柱が,大空間を軽やかに印象付ける。

ちなみに,ここの竣工に2年ほど先んじて,現存する日本のアール・ヌーヴォー建築の代表と言うべき旧松本健次郎邸が対岸の戸畑に完成している(辰野金吾が内装設計)。上野海運ビルの竣工年「1913年」は,目まぐるしい流行の遷移の真っ只中。個人的には面白い時代である。この建物には,どちらかというとセセッションへの意識を感じるべきなのだろう。

 

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デザインはもちろん,経年による歪みも愛らしい。

 

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そしてこの手摺の造作の細かさ。ほんのりアール・ヌーヴォーの香りを漂わせる。

 

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軽妙なリズム。

 

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単焦点の使いどころ。

 

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吹き抜けは正方形ではない。手摺で考えると10:11。ステンドグラスは8:9だが,おそらく一つ一つが正方形でないので,手摺の方が実寸に近い比なのではないだろうか。

 

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並ぶ影まで美しい…。夜はどんな見え方をするのだろう。

 

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狂ったように,何枚も何枚もシャッターを切ってしまう。

 

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3階と外観は後編に回すとしよう。

その5(上野海運ビル後編)へ続く。

 

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