梟の島

-追想の為の記録-

海崎工場夜景:太平洋セメント大分工場跡,EREXの煌びやかなプラント。

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闇夜に発光体。 2020.08.20 大分・海崎

  


8月20日(木)。大分出張の前日。まずは津久見市の街並みを見て周った。

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本当は海崎(佐伯市)で夕方から工場の撮影をしようと思っていたのだが,津久見市街が楽しすぎて,大きくスケジュールが押してしまった。ブルーモーメントが終わり,夜が始まる頃,運転を開始。津久見から海崎へは国道217号線を選択。30分ほどのドライブだが,これが想像以上に緊張した。何といっても街灯が無いし,想像以上に急カーブが多い。 進行方向左手は真っ暗な海。日豊本線の鋼鉄車415系と暫し並走できたのは良い思い出となったが,それ以外はとにかく緊張の連続だった。

 

ようやく工場に接近し,217号線から外れ,「大宮八幡」から,対岸の太平洋セメント大分工場(2010年に操業は停止している)を見ようと計画していたのだが…,いざ着いてみると,恐ろしいほどに真っ暗で,肉眼でもほとんど何も見えない。撮影は恐らく無理だと判断した。尤も,超長時間露光すれば撮れなくもなかったのかもしれないが…何より周辺環境の暗さが怖すぎた。作例がネット上にも殆ど無かったのだが,その理由が良く分かった。やはり操業停止したプラントの夜景撮影は無理があったか…。

片道30分のドライブは無駄足だったか。駄目元でもう一つのアングル,海崎公園横の海際の道からプラントを見る場所へと移動した。いざ217号から左折して海際に出た瞬間。驚くほど煌びやかなプラントが一つ,「撮ってください」と言わんばかりにこちらに向いて建っていた。

 

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ちょうど大宮八幡側からは死角になる場所に建っていたようで,裏側からは全くその気配すら感じられなかったが,いやはや,駄目元でも確認してよかった。車を停め,撮影を開始する。緑を基調とするプラント。やや斜めから拝めるので,写真の納まりも良い。

 

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撮影を進めていると,違和感。頂部の看板のライティングが一段階落ちたようだ。有難いことに,これで「erex」の文字もしっかりと捉えられるようになった。

調べてみたところ,太平洋セメントの設備跡地で,新電力事業のEREXがプラントを造り操業開始したようだ。

 

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背後を山に囲まれ,眼下には海。空も海もとにかく黒く,工場だけが鮮やかに発光している。真夏だというのにこのハッキリとしたコントラスト。素晴らしい。

この場所をストリートビューで確認すると,撮影地点とプラントの間は干潟のようになっている。ちょうど満潮時刻に近かったからだろうか,実際訪れてみると,岸壁までひたひたと海水が満ちていた。これまたラッキーである。

 

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ISOも上げて,シャッタースピードを短くする。揺れる水面に,ぼんやり揺れて映るシルエット。

 

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解剖構図もやってみる。

 

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上部の不安定感。

 

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2:3に綺麗に納まる。

 

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肉眼でもディテールが拝めるくらいの明るさである。

 

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2つのタンクたち。生まれたてのプラントの艶感はやはり独特である。

 

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ジェンガ感。

 

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鉛直性の強いプラント,必然的に縦構図が多くなる。

 

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最後に全景。

 

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操業を停止した太平洋セメントのプラントの港に,暗闇の中に静かに佇む2基のクレーン。もう何年も同じ姿で寄り添いながら,徐々に朽ちてゆくのだろう…。

 

さて,時刻は既に21時近いが,この先は津久見,大在と巡る予定である。まだまだ夜は長い。

津久見工場夜景へ続く。

 

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