梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

掛川駅北口(1):小さな歓楽街と中町商店街。

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シンボリック・ビル。 2021.09.11 静岡県掛川市

 


9月10日(金)。実に3ヶ月ぶりの出張で,10時すぎの東海道新幹線で浜松へと向かう。少し経ってから振り返ると,(未だ収束とは行かないが)所謂第5波のピークに出張が重ならずに済んだことはせめてもの救いであった。コロナ禍の出張の際に必ず利用している3人掛けの最後列に陣取るべく,発車の25分以上前に列に並んだのだが,開扉の10分前くらいに子供2人を連れた夫婦がやって来た。結局やむを得ず狙っていた席は開け渡し,1つ前の車両の同じ席を確保した。車内に2人以上のグループは居らず静かで,終始快適だった。11時半前に浜松駅に到着し,レンタカーで引佐方面へ。出張調査の集合時間までに少しだけ余裕があったので,金指駅の西側に残る遠州鉄道奥山線の鉄道遺構をちらっと撮影してゆこうと考えていたのだが,残念ながら解体済みだった。5月頃から解体工事が始まっていたらしい。

現場での仕事は想像以上のボリュームで,丸4時間を要した。浜松への帰路は取引先の2人を乗せて運転。渋滞のピークはむしろ少し越えていたような印象で,18時を少し回った頃に浜松駅に帰着した。レンタカーは20時までに返せば良いので,2人を下ろした後に何処かへ行こうと思ったが,この季節の18時半はもう日没後である。回転ベッドのある有名なレトロラブホに向けて15分ほど車を走らせたが,希望の部屋には既に先客が居たため,結局ただのドライブにしかならなかった。「白羽」という信号を左折して1kmほど走ると,現れた信号機に再び「白羽」と名前が書かれていて,時空をループしているような不思議な気分だった。19時半頃にレンタカーの返却手続きを完了した後は,浜松で特にやる事も思い浮かばず,夜の街並みの撮影をする気力もあまり無かったので,鈍行で掛川へ向かった。

久々に乗車する211系からは国鉄の香りがして,あんなにも興味の無かった車両ですらこんなに有り難く感じる日が来てしまったのかと,改めて嘆かわしく思った。

 

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30分弱の旅路で列車は掛川に到着。

 

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乗って来た列車と直後の西行きの列車を見送った。

構内の階段の下で蠢いている大きめのGを好奇の眼差しで眺めている女性が居て,何だか少し不気味だった。

改札を出て驚いたが,天下の東海道新幹線掛川駅の駅前には,ほぼ何も無かった。緊急事態宣言下で飲食店が営業していなかったこともあり,とにかく暗い。道端には再びGの姿。小さめのローソンが辛うじて1軒あったが,お世辞にも柄が良いとは言えない感じの若者がご時世など関係なく大声ではしゃいでいたので,最低限の買い物だけ済ませてホテルにチェックイン。値段だけで決めたビジネスホテルは想像通り「クラシカル」だが,それでも宿泊客はそこそこ居るらしく,各部屋で談笑する声が防音性の低い扉を透過して廊下まで漏れ聞こえていた。荷物を置いてひとまずアイスを頬張り,もう一度コンビニに行き水を購入し,すぐに部屋に戻る。窓を開けて換気しようと思ったが,危うくカナブンを部屋の中に招き入れる所だった。支度を済ませ,不思議に低く反発力の低いベッド(コイルスプリングは好きではないので,これは案外悪くなかった)で眠る。久々の外泊だというのに,旅情のかけらもない「投宿」であった。

 

 

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翌11日(土)は朝5時50分に起床。何とも言えない曇天模様,ある。コンビニパンを頬張り身体を起こし,早朝の掛川の街を散策する。土曜日の朝6時すぎ,街に人の姿は殆ど無い。薄雲越しの朝陽が白く,ぼんやりと眩しい。2ヶ月近くデジイチを手にしていなかったので,そのブランクを埋めるべく,寝ぼけた身体と共にカメラの腕もウォーミングアップをしてゆこう。

 

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まずは駅の近くの小さな歓楽街。地名は紺屋町,肴町といったあたりである。

 

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あまりけばけばしい印象の無い道だが,この看板の主張は強烈だ。

 

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地下街入口。こういう所にずけずけと踏み入れられる大人になってしまった…。

 

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「地下街」は当然ながら静かだったが,管理は行き届いているようだった。

 

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裏にも色がある。

 

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シンプルだが意匠性の高い看板が,袖壁に少し隠れるようなところに設置されていた。

 

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個性のある2軒。

 

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錆の美。

 

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BAR.

もう少し歓楽街としても発展しているものかと思ったが,被写体となるような景色は非常に限定的であった。

 

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続いては,中町商店街へ。

 

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県道37号線(東海道)の両側の歩道に,ところどころ歯抜けになったアーケードが連なっている。建物からは1970年代くらいの雰囲気を感じられる。

 

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装テンとアーケードの二重屋根。

 

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VITA-ONEも,この趣味を始めてからはすっかりお馴染みである。

 

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鶯色のシャッター。

 

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3階建の長屋ビルが隣り合い,壁を共有しながら建っている。

 

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背比べ。

 

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刃物店。

 

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履物店。

 

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薄日が差して来た。

 

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中町駐車場の横には,この街を象徴するような建物が。

 

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開口率の高さに時代を感じる。

 

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色褪せてなお,街を見守る。

 

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イシバシヤ。この地で創業80年,衣類・布類・祭用品などを扱う老舗である。散歩中の大きな犬を添えて。

さらに東へ歩くと,中町商店街は連雀商店街と名を変えるようだ。

 

その2に続く(※近日更新予定)。

 

 

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