梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

遠州・森町(1):遠州の小京都,静かな朝の街並み。

f:id:anachro-fukurou:20210928181446j:plain

小京都の朝。 2021.09.11 静岡県森町

 


9月11日(土)。3ヶ月ぶりの出張の翌日,朝6時すぎにホテルを抜け出し,掛川の街を散策する。駅のすぐ近くの小さな歓楽街,中町商店街・連雀商店街を撮影してきた。

anachro-fukurou.hatenablog.com

昨晩は湘南色に塗られた車両が停車していたが,今日はバイクのラッピング仕様。窓に小さな水玉模様の開いた黒いフィルムが貼られていて,車窓など見えたものではなかった。こればかりは地方都市を走る中小私鉄がやってはいけない事だと思う。地元の足としての機能に少しでもプラスアルファの価値を見込まないことには,地方都市の衰退と運命を共にするのみではないだろうか。特に天竜浜名湖鉄道には木造駅舎など沢山の鉄道資源があるのだから,それを無駄にするような愚策は講じてほしくないように思う。

そんな訳で,途中駅に停車している際に車窓の写真を撮ることは叶わず。久々に気動車に揺られるも,旅情を感じる事は出来なかった。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181353j:plain

遠州森駅に到着し,隣のホームに留置されていた車両とツーショット撮影。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181358j:plain

そして交換列車がやって来た。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181402j:plain

土曜日の朝,客はほぼ居ない。乗って来た列車と交換列車を静かに見送った。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928180945j:plain

無人の木造駅舎には静寂が訪れる。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181406j:plain

国鉄二俣線の時代の雰囲気を残した,登録有形文化財の駅舎である。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928180949j:plain

簡易な改札が堪らない。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928180953j:plain

単に年季を感じさせるだけでなく,現役ならではの雑然とした空気感を纏っていた。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928180957j:plain

この駅を利用する乗客の様子を,例えば夕暮れ時の光の中で撮影したら,それだけで旅情を強烈に掻き立てられる絵が撮れるのだろう。車両の被写体としてのポテンシャルは高くないが,天浜線を楽しむ術は工夫次第で色々とありそうだ。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181001j:plain

さて,ここは「周智郡森町」。聴き馴染みの無い自治体名かもしれないが,浜松市磐田市袋井市掛川市島田市に周囲を囲まれた,県西部唯一の郡である。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181411j:plain

また森町は県内で唯一「まち」と呼ぶ自治体であり,同名の北海道森町と姉妹都市なのだという。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181415j:plain

近世には秋葉街道の宿場町として栄え,「遠州の小京都」との異名を持つらしい。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181005j:plain

不勉強故にこれまでその存在を認識していなかったのだが,今回の散策の下調べの際,秋葉街道沿いの街並みの面白さにようやく気付かされ,探訪するに至った。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181011j:plain

まずは駅の北東に位置する中心街に向かって歩いている。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181016j:plain

目抜き通りにも,被写体になるような雰囲気の建物が点在している。土曜の朝8時前,車通りは少ない。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181419j:plain

森町の名産は,茶と椎茸。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181021j:plain

本町の信号で左折すると,年季の入った書店がある。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181026j:plain

大きな呉服店の建物。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181423j:plain

成熟したファサード

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181427j:plain

嘗ては酒屋だったのだろうか。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181431j:plain

大きなキリン。

次の道を右折すると,大正時代に地理学者を「小京都」と言わしめた街並みの片鱗が見えてくる。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181031j:plain

強烈な印象を放つ洋品店。集合体恐怖症の方には少し厳しいかもしれない。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181035j:plain

傘屋。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181039j:plain

平入りの建物は,1階の全面が開口部。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181436j:plain

森町の歴史は古く,鎌倉期には「森市場」が形成されたらしい。戦国時代には武田・徳川の攻防により衰微に追い込まれるも,17世紀から再興。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181440j:plain

1830年頃には人口1300人,旅籠屋24軒を誇る地方都市となっていたようだ。古くは太田川の左岸にあった街は,慶長の洪水で右岸へと移り現代に至るらしい。(町内の掲示板より)

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181043j:plain

これが「小京都」の雰囲気。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181050j:plain

建具から中を垣間見る。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181047j:plain

立派な店である。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181055j:plain

現役の住宅も非常に規模が大きい。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181101j:plain

連子窓の美しさ。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181450j:plain

良いカーブ。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181105j:plain

森乃茶。随分と大きな看板だった。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181454j:plain

歩いてきた道を振り返る。古い街の雰囲気が感じられる。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181109j:plain

歪みながら,令和を生きる。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181113j:plain

電器店

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181117j:plain

洋装店。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181459j:plain

学生服を扱う洋装店も,ゆくゆくは消え去ってゆく定めにあるのだろう。

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181504j:plain

細道の十字路,その向こうには太田川

 

f:id:anachro-fukurou:20210928181121j:plain

徐行の家。

来た道を少し戻り,T字路から分岐する道を見ると,商店街らしい街灯が現れる。ここから北に展開されているのが森町仲町商店街である。

 

その2に続く。

 

 

▼関連記事はこちらから。

 

▼ 宜しければクリックのご協力をお願い致します。

にほんブログ村 写真ブログへ

にほんブログ村 写真ブログへにほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村 写真ブログ 建物・街写真へ