2018年1月7日,しなの鉄道北しなの線の撮影。まずは妙高高原駅から徒歩で,信越大橋の大俯瞰撮影地へ。前夜の降雪により完成していた一面の銀世界の中,スカ色と湘南色を迎えた。
湘南色の撮影を終えるやいなや,移動である。橋のたもとに読んでおいたタクシーを上手く拾い,黒姫駅を少し過ぎた「役場前」の信号まで一気にワープ。途中,廃墟界隈で有名な某ラブホを横目に見た後,野尻湖の気配を左手に感じるなど。タクシーを降りた後は,定番の陸橋の撮影地から西側にある「川原踏切」で,下り列車を待つ計画だ。冬季は利用停止になる踏切,3年前の探訪の際は,北側の諏訪神社側からアプローチして大変な目に遭った記憶があったので,今回は南側から…というこの読みがものの見事に裏をかき,南側から至る農道の最後の100mほどが除雪されていなかった。幸い足回りは防雪装備だったが,かんじきは無い。腰近くまである積雪をひたすら漕ぎながら進むというのは,久々の撮影にしては随分とハードな作業だった。
どうにか到着した頃には,気温は0度だというのにすっかり汗だくになっていた。
雪の足場を固めて,いざ,初代長野色と初対戦である。
ズームアングルでは,後方に定番撮影地の同業者たちを見ることに。
この日は,S7編成の検査からの復帰日。元気そうに雪原を駆けてゆく。
白雪を力強く蹴り上げていった。
さて今度は,黒姫山を背に見る定番撮影地へ向かい,群衆へと合流する。
折り返してくる初代長野色を,あまりにも有名なアングルで仕留めよう。残念ながら黒姫山は雲の向こうに隠れて見えなかったが,それでも雪原と線形が美しく,絵になる撮影地だ。
初代長野色は民営化後の早い段階,1989年に登場した。二代目のいわゆる「長野色」に塗装変更されるまでの10年間で,この塗色に直接出会うことはなかったので,今回が初対面。アイボリーの優しい色調が,青白い雪に柔らかく浮かび上がり,鮮やかな緑は目を引く。そして足元近くの臙脂の細い帯がアクセントとなって,全体に良く調和している。かなり気に入った。
10年間という短い期間ではあったが,確かにこれも長野の冬の一場面。四半世紀前の景色がここに蘇っているという事であり,それもまた興味深い。
ほぼモノクロと化した世界を,やさしく彩る。鋼鉄車ならではの美しさを見た。
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