梟の島

-追想の為の記録-

大森・山王小路飲食店街,ルアンほか。

地獄谷の黄昏。 2022.12.17 大森

 


12月17日(土)。晴天であれば久々に工場夕景・夜景を試みたいと考えていたのだが,生憎の曇天のため当初の予定を変更。八丁畷を軽く撮り歩いた後,立会川から大森方面を歩くことにした。

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冬至も迫る年の瀬。日は短いが,日没前後には大森・山王に着けそうだ。

 

山王小路飲食店街へ。

 

通称「地獄谷」へ下ろう。

 

丸みを帯びた字体,はっきりとした赤色,電灯のぼんやりとした黄色い光。看板の縁を囲む小さな電球,持ち送りの華奢な円。ああ,大好きだ。

 

黄昏の谷へ降り立つ。

 

振り返る。既に何となく,地上と隔絶された感がある。

 

既に薄暗いが,まだ時刻は16時30分。関東の日没は早い,というような話もしたと思う。

 

「ペロちゃん」…当時まだコジコジにはまっていなかったんだな,俺。

次郎とやかん君が大好きです。

 

薄暗いが,店が開店するには未だ早いため,一帯に不思議な静寂が滞留していた。

 

時間的にも空間的にも「狭間」といった感じがする。

 

表出。

 

室外機のために装テンを丸く刳り貫いてある。

 

おひさまの端くれなので,キャプテンの顔がちらつく。

 

初見で読みに戸惑ったが,「みよこ」かな。

 

イルミネーション,冬らしさ。

昔はイルミネーションが何故かとても苦手だった。最寄駅に飾られていたものがお世辞にも良いデザインではなかった事,浮足立った街の喧噪を忌避する感情などが原因だろうか,あまり自分でも良く分からない。苦手意識が完全に払拭されたのは,中野の五番街のものが気に入ったから,というのはあると思う。

 

スナックのママのように皺枯れた声で鳴き,まるっとしたおしりをこちらに向けて座り込む。ふてぶてしくて可愛かった。

 

少しずつ空の青い光が弱まり,街の白い灯りが強まってゆく。

 

道路の中央付近に街灯が生えているので,構図を作るのが難しかった。

 

谷底から見上げる。

 

「地上世界」に帰って来た。

 

大森飲食街ビル。

 

短冊状の店名の細かさよ。

 

中廊下を覗く。

 

もうすっかり夜だった。

 

珈琲亭ルアンへ。

 

幸い2階席は空いていて,この一角を眺めながら過ごす事ができた。

 

ピンク電話も見えている。

 

ウィンナーコーヒー。黄金のカップは,なんだか童心に帰ったようにわくわくした。

 

色々な話をした。気付けば18時半,閉店間際に撮らせてもらった。

 

この時間でないとこの光景は見られないだろう。狙っていた訳ではなかったので,ラッキーだった。

 

1階席もまた雰囲気が良いのだ。床の薔薇がすごい。

 

混雑していたら避けようかなと思っていたのだが,杞憂であった。静かに対話するには終始快適な空間だった。時間帯も丁度良かったのだろう。

 

夜。

 

もう一軒,気になっていた喫茶店はすでに営業終了していたので,同じビルの地下街で夕食とした。あっという間に夜は更けていってしまった。

帰路は川﨑に出て,南武線経由で帰宅した。健康に迎え,過ごすことが出来て何よりだった。年の瀬の記憶に残る,心穏やかな一日だった。

 

 

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