梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

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下関・新地遊郭跡(1):著者の思う「日本一美しいカーブ」へ。

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日本一美しいカーブ。 2020.09.15 下関・新地西町

 

2020年9月15日(火)。前回の大分出張からまだ1ヶ月も経っていないのだが,16・17日,今度は長崎出張が決まった。天候不順によってなかなか確定が出ず,直前の週末に延期が予想されたのだが,結局14日朝に急遽強行する旨の連絡が入った。慌ててその日のうちに切符を調達し,15日は「移動日」として,仕事をしないことにした。

朝のラッシュのピークタイムを避けるように家を出て,9時30分発ののぞみ21号に乗車。コロナ禍でかなり空席は多いのだが,それでも周りが気になってしまい,なかなか落ち着かない。可能な限り車窓を楽しみつつ,長く単調な時間をやり過ごす。新幹線の長距離移動というのは,どれだけ楽しもうとしても本当に味気なく,「疲れるワープ」になってしまうことが多い。今回も例に漏れずその格好となった。

およそ4時間半を省エネで過ごし,新山口で下車。20分後のこだま849号に乗り換える。ひかりレールスターは初乗車だった。N700系に慣れてきてしまったため,700系の車内設備にすら親しみと懐かしさを感じた。超高速で走る「各駅停車」に乗ること20分,列車は新下関駅に到着した。厚狭駅新下関駅,どちらも初停車だった。

さて,既に時刻は15時近い。この日は短時間ではあるが,下関・新地西町,関門海峡を越えて門司を巡る計画だ。駐車場の中にぽつんと建つ駅レンタカーの事務所で手続きを済ませ,いざ出発である。そこまで厳しい暑さではないが,まだ夏の名残を十分に感じさせられる日和。クーラーを効かせ,運転すること20分ほどで,お目当ての新地西町近くのコインパーキングに到着した。きっとこの敷地にもかつては良い建築があったのだろうと思いつつ,撮影準備を済ませ,さっそく逍遥を開始した。

 

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奥に見えるのは国道。2棟のビルの狭間に,不思議な路地が走っている。

 

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目を凝らしていないと見逃してしまいそうな,「しんち」の文字。店舗の名残である。

 

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見上げれば2棟の間に,狭い青空。

 

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ほぼ引きが取れないので全容は把握できないのだが,2階には木製の妖艶な建具が嵌められていた。早速,色街の雰囲気を感じる。

新地遊郭跡は,遊郭を扱うホームページ等ではとにかく超有名である。個人的に「日本一美しいカーブ」だと思っているこの道に,遂にやって来た。

  

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絶妙だ…。惚れ惚れするほど絶妙だ。

 

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程よく圧縮しながら撮ってみる。 

 

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左手前は伊崎町,正面は上新地町,右は新地西町。3町のちょうど境界に立つ。何と言っても煉瓦と木製の扉の色が,アクセントとなって美しい。

 

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さて,早速このカーブを中から堪能してゆこう。

 

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右手の建物は銭湯「千歳湯」。

 

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入口。中からは人の声が漏れ聞こえる。

 

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晩夏の旅情。

 

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右側の建物は,途中で緩やかに屈曲しているが,空撮などから見るに,1棟の長屋らしい。

 

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千歳湯のタイルと大きな窓が,景色を更に強く印象付ける。

 

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ほぼ全ての建物が残っているので,セットかジオラマのよう。嘗ての雰囲気を想像するのは,さほど難しくないかもしれない。

 

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2階に妓楼の雰囲気を良く残している。

 

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時折,地元の人が歩いてゆく。車も何台か通って行った。中でもアルファードは,最徐行ですり抜けて行った。

 

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サインポールは,街並みに雰囲気と彩りを与えてくれる,貴重な点景である。

 

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軒と庇を連ねる。

 

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往時の栄華に思いを馳せる。右手に空地が出来てしまっていた。他の建物は,この先どの程度の時間を生き続けてゆくのだろうか。

 

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道幅は狭く,太陽光は1階には届かない。今回は午後3時半すぎの探訪だったが,また異なった天気・時間帯に来てみたい。不思議な魔力を持った数十メートルだった。

さて,早速メインディッシュの紹介をしてしまったが,新地遊郭はまだまだ面白い。

その2へ続く。

 

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