8月20日(木)。大分出張の前日。津久見市の街並みを見るべく,大分駅から車を走らせること1時間20分。夕方の津久見市セメント町,港町。いずれもフォトジェニックな光景だった。
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港町の目抜き通りを引き続き東に歩いてゆく。
トタン芸術がここにも。
「おしゃれの店 日向屋」と読めるだろうか。その昔は「山木屋傘店」だった場所だろう。
もう間もなく街の境,写っているエリアは中央町。自分が歩いている道も「角崎通り」と名を変えるようだ。
角地の建物は撤去されている。今まさに筆者が立っている場所から西に伸びるのが,「小網代通り」。その2の「おしどり食堂」の横に見えた,荒廃した背面を持つ建物がある筈の,山際の道である。
手前側に転がっている2本の円柱は何か…ストリートビューを見てみると,嘗て小網代通りのこの場所には鳥居が立っていたようだ。老朽化に伴い解体されたが,この場所にそのまま存置されているということだろう。
これが小網代通り。美容室の向こうに,緩やかにカーブしてゆく小道,その両側には静かな家々が立ち並ぶ。きっちり調べた訳ではないが,嘗てこの辺りは赤線地帯だったという。
川野製材所は,昭和34年の地図でも確認できる。
長屋のように肩を並べる家々。
息を呑む。何だここは…。どうやら2棟並んだ細長い長屋の間の通路のようだ。
そしてこれだ。スナックだったようだ…。いや驚いた。
幸か不幸か向かいの建物が解体されていたため,引きでその姿を拝む。いい色だ。人の気配は全く無い。
すぐ裏には岩盤質の山が迫る。
バァード。
合点がいった。これの背面が,先程目抜き通り側から見えていたのだ。裏も表も存在感のある建物だ。
嘗ての喧騒は消え,今ではヒグラシの声しか聞こえない。
アンテナや室外機も見当たらない,倉庫のような建物が,岩肌にへばりつくように建っていた。
色気のある,美しい並びだった。探訪する時間帯も,この場所に相応しかったように思う。
記事に記した情報は全て帰京後に調べたものであり,現地にはただただ「嗅覚」のみで辿り着いた。久々の街歩きだったが,自分のアンテナの精度に,少しばかり悦に入ってしまった。
さて,既にスケジュールは大きく押しているのだが,中央町のスナック街も見て回ろう。
その4へ続く。
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