弦巻通りの夕べ。 2021.02.07 雑司が谷
2021年2月7日(日)。木造アーケード「雑二ストアー」を見に,自転車を漕いで雑司が谷にやって来た。
anachro-fukurou.hatenablog.com
弦巻通りに戻り,印象的な看板建築の並ぶ,商店街の中心部へと向かう。
印象的な街角。
面を取られた縦長の看板建築。いせや食品の看板といい,インパクトのある一角である。
店からは,常連と思しき客と店員の会話が聞こえる。
寿司店「鮨義」は昼休憩中。
荒木クリーニング店。カブ,装テン,タイル,扉,パイロン。実にクラシカル。
年季の入った扉。
2軒の並び。
少し緑がかったモルタル塗りが印象的な,肉の大久保。
絶妙なマスである。タッパは高い。
高いのだが,横にも長い。要するに大きいのだ。
肉屋の看板の共食い動物たちは,しばしばネタとして話題にのぼる。今回も例に漏れず。豚の恍惚とした表情と,鶏(というよりは「鳥」である)の無邪気な表情にグッと来た。
痩せた猫が歩いて行った。
街角。
サイドビュー。
並ぶ壁を圧縮してみる。
肉屋の裏側には,大きな木造家屋が残る。壁はモルタルか,或いは土壁だろうか。
全景。こちらもタッパがあるので,迫力を感じる。西日本(特に大阪や京都)ではまだ珍しくはないと思われるが,23区ではこうした建物が次々に姿を消しているのが現状である。
背の高い建物たちの狭間に。
後に建つマンションと,前景との対比。ひょっとするとこれは,平成2年生まれ・23区西部育ちの自分の原風景に,限りなく近い景色なのかもしれないと思う。背景に現代の建物を置いてみることで初めて,主役として構図に配置したものの意味が浮かび上がったような,そんな感覚である。
街区の中に切り込んでゆくと,再び雰囲気の或る建物の側面が現れる。
兄弟。
袋小路のような道を縫うようにして抜けると,再び原風景に近いような一角があった。
板壁の家は,都内では随分と少なくなった。
しかし雑司が谷には,そんな懐かしい景色がまだまだ点在している。
山手線内,令和3年。
夕方が懐かしいのは,小学生の頃,この時間に外で遊んでいたからなのだろう。
緩やかな段のある未舗装道。
地面が見えることに,ちょっとした安心を感じたり。
再び「兄弟」の所に戻って来た。淡い夕空を背に,全景を納める。
黄みがかった外壁には,夕刻の青空が良く似合う。
肉の大久保の隣の建物を,圧縮効果を使って撮ってみる。
2月の日曜日。
今日も当たり前のように,日が暮れてゆく。
看板建築のある四つ角から北に向けて緩やかな坂を登り,右に折れると,崖地に建つ下見板の家が現れた。その下を覗いてみると,戦後の空気を微かに感じ取ることができた。
いせや食品と看板建築,「原点座標」に戻って来た。
さて,満を持して,雑二ストアーを訪れよう。
その3へ続く。
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