錆と翳。 2021.10.22 木更津
10月22日(金),君津市の仕事現場の検査に向かう。今回は終始単独行動である。13時に現地集合という余裕のあるスケジュールだったので,少しだけ早く出発し,木更津市街を散策することにした。中野でレンタカーを調達し,不慣れな首都高とアクアラインを走り,一気に木更津へと渡る。ほぼ渋滞も無く,10時半頃に木更津駅西口の立体駐車場に車を停めた。ここから1時間半ほどの散策で,見所をざっくりと網羅してゆく。
しかし何と,今日もまた雨降りである。数日前の土浦散策でも派手に降られているのでうんざりである…。
折れかけた心を何とか保ちながら,傘を左手,カメラを右手と首に,散策を始める。まずは富士見通りの寂れたアーケード商店街がお出迎えである。
風もあるので,早々に広角レンズが雨に濡れた。心が蝕まれる…。
木更津Japan美容室。
こちらは閉業したパチンコ店。
アーケードの継目,パチンコアポロの看板。
そのアポロの矢印が示す方の道に折れる。ここは「与三郎通り」と呼ばれているらしい。
立方体のような建物が。
風俗営業(バー)の鑑札があった。
緑に囲われながら,静かに余生を送っていた。
雨に関係なく,人通りの疎らな道のようだ。そもそも散策を始めてからずっと,人の気配が殆ど感じられない。
更地も多く,店舗も廃業したものが多そうな印象だった。
田面通り(たもどおり)に,大開口を誇る長屋ビルがあった。
時計店などは廃業している様子。
蕎麦屋「森田屋本店」は営業中だった。
街並み。
少し雨脚が弱まって来た。
魚きよ。営業中。
3階から上にネットの掛けられた,鄙びたビルがあった。
鄙びた色が集う。
見返していて思うが,自分の写真はスマホで見るのには向いていない。PCのディスプレイに画面いっぱい表示してみると,臨場感がぐっと感じられる,そんなイメージである。
さて,何料理の何楽だったのか。
SVを見ると,正解は「中華」料理の「寿」楽らしい。
寺町通りを抜けて,富士見通りのアーケードに戻る。店舗が抜け,アーケードだけが独立して残っている虚しさたるや。
中央の明かり取りが,屋根面に陰翳を生む。
この辺りも屋根だけが残る。そして穴が開いているので,雨避けの意味も為さない。既に解体が決定しており,2023年度には整備が完了する計画らしい。恐らく今日が最初で最後の撮影になるだろう。
道の両側に展開される。改めて見ると,背が高くて立派な造りである。街の栄華は過去のものへ。
現役の酒屋。KAWAKEIの黄色い看板がグッとくる。実のところ,現地でじっくりと観察する心の余裕,時間の余裕が無く,帰って来てからここが何の店だったのか確認している始末である。まぁ力を抜くのも大切なことで,これで良かったのだと言い聞かせる。
さて,あまり時間を食わないうちに,富士見通りを西に進み,最重要目的地の近辺へと移動する。
街の気配が変わる。
木更津会館。県内唯一の現役の検番である。
妻と平が共存するようなファサードが印象的だった。詳しい説明は各所にあるので割愛する。
「かなめ」の看板はぼんやり灯っていた。
色気の或る佇まい。
鳥居崎通りを西に進む。一見するとただの住宅だが…
中を覗いてみると,店舗の名残があった。
この奥の一角にある木更津随一の路地が,今回の散策において最も重要な目的地である。時間もないので,さっそく切り込んでゆこう。
その2へ続く。
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