冬の海水浴場。 2023.01.21 直江津
1月21日(土)。表題には「旧北陸本線沿線」を掲げ,様々な観点から昔日を偲びつつ,1泊2日で直江津~糸魚川間を歩く。まずは直江津駅北口,駅前通りと裏路地,そして県道沿いを西へ歩いた。
▼その1はこちらから。
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本来の旧北陸本線の跡とは大きく離れるルートとなるが,いよいよ,日本海沿岸へ出ようと思う。
国府小学校の西側の道を,海へ歩く。急に人里を離れたような,心細さに襲われる。
日本海は荒れ狂っていた。相変わらず空からは,小さな雪の粒が降り付けてくる。
ようやくこの景色を見に来た。「ただいま」とつぶやいたような記憶がある。
濡れた砂が車道を覆う。
想像以上に風が強く,押し戻される。足下も決して良くはないので,一歩一歩,エネルギーを要する。まだ始まったばかりだというのに,先の長さに気が遠くなりそうだ。
強風は上空にも吹いているらしく,雲が吹き散らされると青空が見えてきた。
砂の上に傾いて,君はもう,ずっとこのままなのか。
或いは夏になればまた海を泳ぐ日が来るのか。
どちらにしても,冬を孤独に過ごす君との邂逅を,忘れないだろう。
褐色の浜。
晴れる。水蒸気は多いので,何となく視界が霞んだような,不思議な景色だ。
お世辞にも綺麗とは言えない浜辺。
海はこうして汚れているから良いのかもしれない。
こんな場所で自分以外の歩行者が居て驚いた。なるべく一人になりたかったので,先を譲った。
海岸線に山がせり出してくる。
冬の怒涛は,水平線を決して水平になど描かない。
ガードレールの失われた赤色に,環境の酷烈さを知る。
隣国からの漂流物。
海水浴場へ。
気になる佇まい。
窓から覗くと,中はこの状態だった。
道路沿いには朽ちた小屋が並ぶ。
錆びて,朽ちて。
抜けて。
しまいには,崩れる。
ビニルシート,海水浴場。
海の売店。
2棟の微妙な距離感。砂浜は奥行が広く,何だか景色がぶかぶかしている。
直江津海水浴場を後にする。
最後に振り返る。嗚呼,冬枯れの退廃美を此処に見る。
海水浴場の北側の町。
ホテル等,客商売を営んでいたと思われる建物たちも,今は斃れゆく。
住宅街。地名は「虫生岩戸」になるらしい。読みは「むしゅういわと」。
カーブ。意外と交通量が多い。
そしていよいよ,国道8号線の旅が始まる。
その4に続く。
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